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そんなに若作りをして描いたつもりない、でも並べられたら確かに蓮が年齢を重ねたのは判る、でも変わらずにかっこいい人だな。
もう30代も後半の筈なのに、数年は若く感じるかも。
「蓮……今は学校は何処に?」
「県央の秦野南高に」
「相変わらず女子にモテモテなんでしょ?」
「まあね」
私の学校にいる時も、近くを通るだけで女子は大騒ぎだった、きっと今もそうに違いない。
「でも自分も歳をとったからか、みんな赤ん坊にしか見えない。結依がいればいいし」
「──奥様でしょ?」
私は怒って言った、私はもう、恋人でも愛人でもないのに……。
「──結依だよ」
懐かしい声、呼ばれると体は勝手に喜び、熱くなる。
「結依」
蓮は私の気持ちが判るのか何度も呼んでくれた。
頬を撫でられて、蓮の方を向かされた。
駄目。
言いたいのに声が出ない。
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