運命の1回戦

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「オレの試合3日目ですよ、3日目なんてどんな風に変わってるか分からないじゃないですか!」 「そこは臨機応変に考えるしかないんじゃないですか?荒らされた土地は、それはそれで別の使い方もあるかもしれません」 「これってそういう試合なんだ…甘かった、オレ絶対3日目の方が有利だと思ってたのに…」 キースはそう言って自身の髪をくしゃくしゃと掻き回した。 「3日目が有利って、何故そう思ったんですか?」 「だって二回戦は団体戦だから!負けた人達は勝った人の中から自分のボスを選んで一緒に戦うんですよ、3日目ならほとんどの人が自分の勝敗分かってるし、負けた人達は誰に付くか考えながら試合見てるんで人集めが楽なんです。そこで目立てば人は勝手に集まってくるから」 「…なんて事、私二回戦目の事なんて何も考えていませんでしたよ…」 確かにルールブックには二回戦目の概要も記載されており、そんな事も書いてあったと思い出す。 キースの言う通り、こんな一試合目からそういう目で試合を見てる人間は多くはないだろう…そもそもここに越してきたばかりで知人がほとんどいない自分にとってはかなり不利な話だ。 とは言ってもこの一回戦目に勝たなければ全く意味のない話でもあるのだが、どのタイミングで試合をしたとしても一長一短という事だ。 「う~ん、でもどのみち一回戦勝たなきゃ二回戦なんてない訳だし、まずは勝つ事だけを考えるべきかもですね。こんな作戦思い付くナダールさんならきっと勝てますよ、頑張ってください!」 そう言って笑みを見せたキースにナダールは頷いた。 これもキースの言う通りだ、まずは勝たなければ意味がない。試合開始はもう間もなくだ、集合の合図がかかり、ナダールはそちらを見やる。 そこには50人ほどの騎士が皆各々準備を始めていた。
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