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透き通るような白い肌。太陽の輝きを浴び、眩い煌めきを放つ栗色のショートボブ。蒼く澄んだ瞳に、芸術の如く整い尽くされた目鼻立ち。
加えて十五、六歳前後の体格でありながら、その身体のラインは完成形に近しい女性らしさを備えている。新緑の色を湛えた軽鎧とミニスカートの上からでも、そのなだらかなラインが窺えた。
さらに彼女の左腕には、一角獣の紋章で彩られた盾が装備されており、その腰には同様に一角獣の角を象った剣が提げられている。
そんな彼女の凛々しい戦乙女の姿に、少女はすっかり目を奪われていた。慈しむような微笑みを浮かべて手を差し伸べるその姿に、少女は年上でありながら完膚なきまでに魅了されてしまっている。
「そ、そんな……! 私なんかには、もったいないお言葉です! ダイアン姫!」
「いえ。戦に敗れた身とはいえ、わたくしも民を統べる王族の一人。苦しんでいる民のために力を尽くすのは、当然の責務です。それより……!」
「……そ、そうだ! ルーケンさんっ!」
ダイアン姫と呼ばれた美少女は、腰を抜かしてしまった彼女の手を取り、ゆっくりと立ち上がらせる。次いで、鼻血を出しながらも壁に手をつき、なんとか立ち上がっていたルーケンのそばに歩み寄った。
「これはひどい……。ただちにわたくしが治療しましょう。ベッドの用意、お願いできますか?」
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