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立入禁止と書かれたドアを開け、生野くんのあとについて屋上へ出る。
こんな場所へ来たのも、授業をさぼったのも、生まれて初めてだ。
薄暗い校舎から一歩を踏み出すと、私たちの上に青い空が広がった。
一つ上の階にのぼっただけなのに、いつも見ている景色とはまるで違う。
吹く風と、心地よい日差しのせいだろうか。
「本当にここ、気持ちいいね」
思わずつぶやくと、私の隣で手すりにもたれて、生野くんがうなずいた。
そして私から目をそらし、ずっと遠くを見つめる。
いつも一人でここへ来て、お弁当を食べていた生野くん。
生野くんは、一年前からずっと、誰にも気持ちを打ち明けることなく、涼子先生のことを想っていたのだろうか。
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