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私、いつかお風呂の中で死ぬのかなぁー。
至福のまどろみの中で、そう思った。
そのくらいの脱力感。
もう、動けない……。
肌にまとわりつく、柔らかなお湯が、私の冷えた体の冷たさを奪っていく。
正確には、お湯の熱を奪って、私の体が温まっているのがろうが、先ほどまで晒されていた、凍るような冷気に冷やされた冷たい体から、冷やしている憎き物質を取り除いてくれてるような、そんな感覚だと私は思う。
あーーーっ。
声が漏れる。
おっさんだと言われてもいい。
もう放って置いて欲しい。
誰になんと言われようと、この瞬間は堪らない。
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