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連絡をくれたのは、大学時代の同級生、南だった。
南は、同じ学部で、テニスサークルの仲間。そして、10年前に亡くなった恋人、千波の親友だった。
同じサークルの同級生六人、俺と高橋と佐伯、千波と南と早希で、よく大学時代は連んでいた。
今でも、毎年お盆には、千波の家にお参りに行っているし、命日近くなると、一緒に墓参り行くことも多かった。
だが、たいがいそんな時は、早希と高橋が連絡を取り合って、話をまとめてくれるので、早希から連絡がくる事はあっても、南から直接連絡がくることは、これまでほとんどなかった。
『…仙台に来てるんだけど、少し会えない?』
社交辞令の後に続いたのは、そんな言葉。
南から、二人で会おうなんて誘われたのは、それが初めてで、どうしたんだと少し気になった。
言葉通り、仙台に来たついでに、顔を見せに来てくれるなら、それは嬉しいんだけど…
なんとなく、それだけではないような気がしていた。
いつものことだが、特に仕事が終わってからも予定はなく、すぐに了承を伝えるメッセージを返した。
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