二次会

4/6
479人が本棚に入れています
本棚に追加
/365ページ
「職場の先輩の蒼井絵里さんです。 こちら、新郎山田さんの大学時代のお友達で、西嶋一郎さんです。 じゃあ、また来ますね」 社交的な杉村ちゃんは、人懐っこい笑顔で、その場を和ませてくれて、幹事の仕事に戻って行った。 「はじめまして、蒼井です。」と会釈する。 「西嶋です、こんばんは」 と、笑顔で返される。 以外と言うと失礼だが、癒し系笑顔だ。 色白で、一筆でかけるような細い目。 あっさりとした顔立ちで、真顔だと、少し冷たい印象にも見えるのだが、どこか癒される雰囲気もあり、何かに似ている…何かに…なんだろぅ…。 「あっ。」 思わず声に出して、口を手で押さえる。 お地蔵様だぁ。 丸顔ではないので、気づかなかったが、顔のパーツは、お地蔵様なのだ。 お地蔵様の顔の輪郭を玉子型にして、髪の毛をつけたような顔。 クールな様で、どこか優しい顔立ちである。 「あぁー。」 自分の中で合点がいったので、またつい声に出てしまった。 「どうかしました?」 西嶋さんが、私に問いかける。 失礼なことに、この一連の自問自答の間、ずっと西嶋さんの顔を見ていたらしい。 かなり恥ずかしい…。 顔が赤くなっていくのが分かる。 「いやっ、何かに似てるなぁと思って」 何か返答しなければと思い、つい正直に話してしまった。 「なにか…?」 西嶋さんが、聞き返す。 重ねて失礼である。 誰かならまだしも、何かというと、もう答えは物でしかないじゃないか。 自分の失態に、また恥ずかしくなり、顔がますます赤く火照るのが分かる。 どうしようもなくなり、下を向いていると… 「で、何ですか?」 「えっ?」 「わかったんでしょ?」 完全にテンパってる私の頭は機転が利くはずもなく、 「お地蔵様…」と素直に答えてしまった。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!