The second episode

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「ダブルとシングルがあるけど、どっちにする? あっ、マスタードは大丈夫?」 「佳祐さんは、マスタード、どうされるのですか?」 「僕はマスタード入りのを頼むよ」 「じゃあ、マスタード入りのシングルをお願いします」 「じゃあ、僕はダブルで」  そんな二人の会話をにこにこしながら見ていた髭をたくわえたマスターが、はいよと言ってパテとバンズを焼き出した。 「飲み物は?」 「私は、特には……。あっ、佳祐さんのを少し分けてもらえますか……」  それって、間接キスはOKってこと?  いやいやいやいや、27にもなって間接キスにドギマギするなよ、そう自分にツッコんだ。 「えっと、じゃあコーラを。やっぱりハンバーガーにはコーラだよね?」  佳祐がそう言うと「あっ、はい。そうですね。覚えておきます」という返事。  そうだよな、ENAには定番とかはないんだよな……。  気を付けないと……。  佳祐は出来上がったハンバーガーを二つ持ち、ENAがコーラを手に持って、先ほどの川べりに戻り腰を下ろした。
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