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「じゃあ他の、僕の良くなかった所は?」
「まずですね、まあ最初のデートを郊外でランチというのはとてもいいです。いきなり夜に高級ディナーだと、私狙われている? と警戒させてしまうこともあるので。ですが、やはりモーターバイクに乗ることはちゃんと伝えておかないと。バイクに乗ること自体はとてもいいと思います。吊り橋効果も期待できますし」
「吊り橋効果?」
「はい。吊り橋を渡る時のドキドキを、今回はバイクに乗って走るスリルとドキドキを恋のドキドキと勘違いしてしまって、一緒にいる人を好きになる、という効果があるようです」
「そんなのがあるんだ……。あとは?」
「佳祐は、自分の感情表現が全くできていません」
「感情表現?」
「はい。朝一番、制服を着てやってきたENAちゃん、ミニスカートの下にジャージを履いたENAちゃん、ハンバーガーにかじりついたENAちゃん、何度もENAちゃんのことをかわいいと思っているのに、それを一度も口に出していない」
「いや、でも、そんなの恥ずかしいし」
「何故恥ずかしいのでしょう? かわいいと言われて嫌な気分になる女性なんていないのに。好きな相手が喜んでくれることは自分にとっても嬉しい、ですよね?」
「そりゃあもちろん」
「じゃあ勇気を出して、かわいいと言ってみて下さい。きっとENAちゃんの笑顔が見れますよ」
「そっか……。わかった、ありがとう。頑張ってみるよ」
「それと、佳祐は最大のチャンスを逃しましたよね」
「えっ?」
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