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「あとはここだけ拭かせて下さいね」と目の前のローテーブルを向こう側から拭き出したENA。
低い姿勢の前かがみは、十分な大きさを持つENAの胸の、その谷間が見える絶妙な角度を作り出している……。
佳祐は心の中で「ENAちゃん、もうそれくらいで許しておくれ、我慢できなくなっちゃうから」と思いながら「ENA、もうそれくらいでいいよ。ありがとう」と声をかけた。
「そうですか? じゃあ続きはまた明日やりますね」
返ってきたENAのその言葉は、佳祐にとって嬉しくて、でもとても寂しくて。
明日も会えるという喜びと、今日はやっぱり帰ってしまうんだという悲しみと。
そんな思いに佳祐が一人浸っていると、突然、角栄からのメッセージがIDカフに届いた。
【なぁ佳祐! 次の日曜、フィッシングランドにみんなで遊びに行こうや! ENAちゃんも見てみたいし! 奇跡的に予約取れてん!】
ENAにそれをそのまま転送すると、ENAは目を大きく見開いて、何度も何度もうなずいた。
「海に行く服を買ってもいいですか?」とはしゃぎ、佳祐が「もちろん!」と答えるとENAは「わーい!」と両手を上げて喜んで「ありがとうございます!」と言いながら上の方を向いて、どんな服を買おうかとすでに考え始めているようだ。
好きな人が喜ぶ笑顔はそのまま自分に移るんだ、そう思った
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