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古典的なルアーで投げ釣りをしている佳祐と角栄。
「釣れへんなぁ」
「うん。でも女子二人がきゃあきゃあ言って、楽しそうだからよかったよ。ありがとう角栄、今日誘ってくれて」
「いやいやほんま楽しそうでよかったわ。朝は八重がなんや機嫌悪いし、どうなるかと思たわ。おっ、きたかもしれへん。うぉー」
そう言って、佳祐がすごい勢いでリールを巻き始めた。
「きたきたきたきた」
その声を聞いてか女子二人が、釣れたアジをバケツに入れ戻ってきた。
「釣れたんですか?」
「おう。この重さは大物やで」
だが、角栄が巻き続けたルアーの先には緑色の物が。
「あっ、ワカメ……」
落ち込む角栄に「綺麗な緑色! 生のワカメって、私食べたことがないし、お味噌汁にしましょうよ」そうENAが声をかけると「よーし、ほならメインも俺が釣ったるー!」と角栄は復活し、再び「おらー」と全力でルアーを投げ込んだ。
そうこうしているうちに、佳祐にも当たりがきた。
「あっ、かかったかも」
「がんばって佳祐さん」八重のその声に背を押され、重いリールを必死に巻いた。
「うわぁ。すごいじゃないですか! こんな大きなタイ見たことないでよ。佳祐さん、すごーい」 八重にそう言われ、佳祐は何だかとても嬉しかった。
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