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 逮捕の情報が入って来たのは、その夜の事だった。  夜の警らへ向かおうとしている時だった。  中井雅美を逮捕したというニュースだ。 「やっぱり、あの女だったのか。お前、ドンピシャだな」  池村巡査長は、ニヤニヤしながらよくやったと言いたげに、俺の脇腹を突いた。  中井雅美は、自供したという。  日高に捨てられ腸が煮えくりかえったという。  慰謝料はもらったものの、気がすまなかった。他に女が何人かいる事は、知っていた。  日高の車を細工し、ブレーキを効かなくした。  けれども重森という男には、手を下していないという。全然知らない相手だからだ。 「その男だけは、上條美佳が殺そうとしたって事ですよね」 「だろうなぁ」
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