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 パフェが運ばれて来た。チョコレートのパフェはダーク色とホイップとアイスの白で埋め尽くされていたが、イチゴパフェは、イチゴとアイスとホイップと、桃色のムースが入っており、ロッピングにミントの葉。  カラフルで綺麗だった。  黙っているが、澪ちゃんの目は明らかにハートになっている。女性が好きそうな色合いだ。 「難しそうな顔してるけど、大丈夫?」  澪ちゃんがイチゴを頬張りながら、尋ねて来た。 「うん。まぁ色々あって」 「もしかして、今日、あの松本の女の人が殺されてたって事件?」 「知ってたの?」 「だって、テレビでやってたよ」  それはそうか……。そりゃ取り上げられるよなぁ。と思いつつ、チョコレートのアイスを口に入れる。今の心境を表すように、苦みが強いチョコレートの味が広がった。 「まぁ、色々深刻でね」  自分が切符を切った相手だからこそ、気になる。
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