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「今日、昼休みにね辰子さんと一緒に、休憩室でワイドショーを見てたの」 「ワイドショー!?」  少し驚いた。全くそういうのを見るイメージがなかったから。ちなみに辰子さんとは、母親の店の従業員だ。 「うん。だって昼、13時半とかのテレビってそういうのしかやってないんだもの。昼ドラとか」  澪ちゃんは肩を竦めた。  言われてみればそうかもしれない。俺は、仕事で疲れてテレビを見る余裕がないので、今の流行もテレビで何がやっているかも、人気芸能人も実は知らない。  しかも休憩時間は三十分も取らないという二人。経営者の息子としては、とても申し訳なく思う。 「本当にすまない。あと三十分、休んでくれてもいいのに」  ったく、おふくろめ。何故辰子さんと澪ちゃんをこんなに、働かせてるんだい。と言いたい。 「あぁ、違うの。圭子さんはね、休んでもいいって言ってくれるけど、でもそうもいかないから」 「……。そうか……」
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