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 ついでに言えば、頭が悪そうな女だとも思った。 「何か気づかれた事ありませんか? 切符を切った際」  きっとどんな情報も今、欲しいのだろう。  俺は「さぁ」と首を傾げるしかなかった。 「なんでそんな、東京に男作ってたんでしょうね」 「こっちの男性の人が、高給取りが沢山いるからでしょう」  なるほど。でもそういう問題か。  したたかな女がやりそうな事だ。呆れのため息しか出なかった。 「何か、もし思い出しましたら、よろしくお願いします」  最後に湯浅警部と部下の警部らは、軽く頭を下げて去って行った。 「何か、真っ黒な女みたいだな」  池村巡査長が、呆れたため息を落とす。心情は全く同じだった。 「そうですね……」
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