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「それを知ったのは、いつ頃ですか?」  あの妹とは違い、姉は大分、しっかりした人のように思えた。 「ふた月位前です。携帯の履歴を見ちゃったんですよ。『国後まさみ』って書いてありまして」 「はぁ……。聞いた事ない苗字ですね」  俺は首を傾げた。隣の席の池村巡査長も、聞いた事がないような顔をしてふーん。と鼻を鳴らした。 「珍しい苗字ですね」 「……。はい。聞いた事がない苗字で。まぁ、変わった苗字って世の中ありますから」 「まぁ、確かに。女性っぽい名前ですね。女性って事は考えられませんか?」 「いえ、ないと思います。だってあの子、女の子の友達作らない子だったから。同性が嫌いだったみたいで」  不承不承とため息をお姉さんは、落とす。  けれども男好きだったという訳か。失礼だが仕方がない人だな。
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