6

5/12
前へ
/145ページ
次へ
 互いに沈黙が降り、苦笑いした。刑事達は頭を悩ませているようだった。 「そういえば、亡くなった日高さんの内縁の妻だった方が、雅美って名前でしたね」  思い出すように、湯浅警部は言う。  しかし国後まさみという人物とは、別の名前だろう。 「ったく、今回の事件、どうなってるんですか。男女トラブル、満載じゃないですか」  池村巡査長がまた呆れた口調で発した。  それは俺も思う。  ハチャメチャな男女関係を持った者が、トラブルを起こしている。  日高、重森。上條美佳だってそうだ。 「日高って人は、十年位一緒に暮らしていた女性と別れたそうですよ」 「そうでしたか」  一体どんな女性だったのだろう。  話によると、日高は金がある分、金は女性で釣れるものだと思っていたらしい。  あまり良い事はしてこなかったのだろう。
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

716人が本棚に入れています
本棚に追加