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「分かった……」 「分かったって何が?」  澪ちゃんはキーボードを打つ手を静止し、両手を宙に浮かせたまま、相変わらず目を瞬かせた。 「犯人が分かった」 「えっ」  俺は居てもたっても居られなくなった。後、三十分居たかったが、こうしてはいられない。 「ごめん、また来るよ」 「あ、うん。気をつけてね」  澪ちゃんは、物分かりが良い。それ以上は詮索しなかった。詮索しては いけないと思ったのだろう。笑顔で玄関で手を振り、送り出してくれた。
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