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「ただの自意識過剰女かよ」
池村君は鼻で笑った。
その待ち遠しくも、考えただけでウンザリするような、掃除当番の日がやってきた。
木々に囲まれた、滑り台と鉄棒があるだけの小さな公園。ベンチが沢山あり、昼時はランチを摂る会社員やOLが利用する事も多いらしい。
ゴミが散乱していた。
その掃除をするのが、私達の仕事という事だ。
向かいのマンションから、三人の女性がやってきた。
「いた、ボスママ」
奈美さんは、私と池村君の後ろに隠れながら、あの人よ。と教えてくれた。
一人、セミロングの女性がいた。
赤いパンツに白いセーターにベージュ色のコート。色がちぐはぐである。
二人の主婦らは、その赤いパンツの女性の取り巻きとなってきた。皆、一見若そうだ。
ボスママは、はっきりした二重瞼。けれども美人というのは、どうだろう? 新垣結衣とはかけ離れている気がするが。
「どこが、新垣結衣なの?」
私は失礼ながら、奈美さんに聞いた。
「でしょう!」
池村君は「まぁ、ブスではないけど、男受けする顔ではあるな。男から見たら美人って言う男もいるかもしれない」という。
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