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コタチュウ
おばあちゃんちは、宿題がはかどる。テレビはついてるけど、ニュースだからあまり目がいかない。
晩御飯はそうそうに食べ終わり、私と弟の芳樹は冬休み用の問題集を、こたつの上で広げていた。
おばあちゃんが、よいしょっと立ち上がって、仏壇から大きな菓子箱をおろし、菓子鉢に盛りなおす。
「きんつば、食べるかい?」
「うん、ありがとう」
家では、ごはんのあとは牛乳を飲むのが定番なのだが、おばあちゃんちには、常備されていない。
お茶、淹れよう、とおばあちゃんがお勝手のビーズ暖簾をくぐる。
ごつ、と鈍い音がして、見ると、芳樹が鉛筆を持ったまま突っ伏していた。
「しょうがないなあ」
「よっくん、疲れたんでしょ。さっきまで、はしゃいでたからね」
夕方、おばあちゃんの折り紙の風船が気に入った芳樹は、新聞紙で大きいのを作ろうと意気込んだ。
膨らませるのに四苦八苦。
それでもなんとか形になった巨大風船で、バレーボールの真似をして、おなかが裂けるほど大笑いしてたのだ。
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