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だから頭を撫でながら居場所を教えた。
俺には、ハッキリ見えるけど。
そうしたら真っ青になった奥さんは、
急に怒り出した。
「な、何なんですか…あなた達は!?
何でウチに爽太って子供が居た事を知っているのよ?
何処でその情報を手に入れたの!?」
何処の情報って…嫌だな。
目の前に居る爽太君が自分から
自己紹介してくれたのに。あ、彼女の方は、
パントマイムだと思っているみたいだ。
失礼なぁ~俺そこまで器用じゃないし。
「ウチの子は、亡くなっているんです。
2年前の事故で…だから
居る訳がないのに変な事を言わないで下さい」
奥さんは、ガタガタと興奮するように言ってきた。
2年前か……。
チラッと爽太君を見る。
そして、彼の過去を一瞬で探り出した。
事故死か。どうやら飛び出して車に引かれたらしい。
まだ幼いのに可哀想だ。
『僕…死んじゃったんだよ。
ママ……僕のこと気づいてくれないの。
おじちゃん…伝えて。ママに伝えて』
彼の心残りは、母親か。
俺は、分かったと言わんばかりに
グシャグシャと頭を撫でてやる。
大丈夫だ。俺がお前の心残りを取り除いてやる。
「2年前…それは、さぞかし辛かったでしように。
私は、本職に寺の住職をしていまして
霊感が強いのですと言っても
ただ言うだけでは、信じてもらえないでしょう。
手だとパントマイムだと思われているようですし」
フフッ…ちゃんと聞こえてるよ?まどか。
聞こえないし、見えないのなら
分かるようにするしかない。俺の能力を使って
「なので…私の霊力で証明させてあげましょう」
そう言いカバンから長めの数珠を取り出した。
これは、お祖母様から頂いた物で
能力を最大限に引き出すのに最適なアイテムだ。
これがあれば、証明が出来る。
「あの…何をなさるのですか?課長」
「うん?俺さ……直接、霊を触る事も出来るのだが
それ以外に自分の霊力を人や物などに
移す事も出来るんだ。だからこうやって」
長めの数珠を爽太君に向ける。
そして数珠を爽太君の首にかけてあげた。
すると落ちることもなくかけれた。
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