“彼”

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でも、先住の彼の他に先住の彼女もいた。 彼女は最初彼に対して威嚇をするも、 まだ頼りないよたよたな歩き 牛柄の小さなふわふわな体 そしてしましまの小さな尻尾 それら全てを可愛く思ってしまった。 彼女の心をくすぐった。 彼女はここへきてから 「おてんば娘」「じゃじゃ馬娘」と 家族に言われていた。 駆け回るのは大好きだし 驚かせるのも大好きだし 壁を蹴って二段ジャンプするのも大好きだった。 だからそう呼ばれた。
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