おいでませ桃太郎

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ここで一気に畳みかける! 「美月義姉さんも桃太郎はヘタレだから心配無いって言ってくれたしさ!お兄ちゃんがお世話になった世界の人でしょ?私も妹として恩返ししたい!」 さぁ、どうだ! 「あっちの世界で俺はむしろ世話をした方な気がするんだが」 「そうね。私もしつこいストーカー求婚者から守ってもらったし」 おっとぉ!まぁ完璧超人お兄ちゃんならそうなるかもねー。 うーむ。作戦失敗したか? 「でもね、勇也さん。私が勇也さんと出会えた様に、沙樹さんと桃太郎が出会った事は必然なのかもしれないわよ?」 美月義姉さん、マジ女神! 「桃太郎も神の子ですもの。信用出来ると思うの」 きゃー!美月義姉さん愛してるぅー! 「…美月が信用出来るって言うなら」 よっしゃー! 「おい、桃太郎」 「何でござる?勇也殿」 「俺の可愛い妹に手を出したら許さんからな!」 私はブラコンだけど、お兄ちゃんもわりとシスコンだよね。 私、愛されてるぅー。 「なっ…!二度も身を挺して助けてくれた沙樹殿に不埒な真似をする拙者ではござらん!『日ノ本一』の名に掛けて誓うでござる!」 「うんうん!桃太郎は紳士だよ!大丈夫!」 「紳士が何かはわかりかねるが、拙者が沙樹殿に邪念を抱く様な事はせぬ故、安心召されよ」 「おい、ちょっと待て。それは何か?沙樹には魅力が無いとでも?こんな可愛い沙樹に?お前の目は節穴か?どこからどう見ても可愛いだろーが!」 「いや、別に沙樹殿に魅力が無い訳ではござらん!見目麗しい女性ではあるが、それとこれとは」 「やっぱり信用出来るかー!」 「どう答えても不正解とか理不尽でござるー!」 「お兄ちゃん!落ち着いてー!美月義姉さん、助けてー!」 困った時の美月義姉さん! 「勇也さん。落ち着いて?」 「これが落ち着いていられるか!」 「ご近所迷惑よ?こんな夜更けに大声出したら」 「でも、美月!」 「後日、注意されるのは沙樹さんよ?いいの?」 「それはダメだ」 「そうね。なら静かにしないと」 しー、とお兄ちゃんの口に指を当てる美月義姉さん。 おぉ…お兄ちゃんが静かになった。 さすが美月義姉さん。お兄ちゃんの手綱はしっかり握ってるね。
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