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春に近所のハルさんが亡くなってから続く、一連の出来事を思い出し、薫は瑛太と一緒になって肩を落とす。
勉強に充てるべきだったゴールデンウィークに、薫と瑛太は、一緒に京都へ名前探しに行ったのだ。それが影響したに違いない。
「でも、しょうがなくない? それ、絶対瑛太のせいじゃないじゃん」
薫は、今は瑛太の中で眠っているだろう"カミサマ"に思いを馳せた。
仮宿を失い、瑛太に取り憑いたままの、仕事をしないカミサマ。彼は夜、瑛太が眠っているときなど、隙をついて出てきては要らないことばかりをやらかすのだ。
被害は主に彼のバイト代だが、眠っている間に体を使われるのであれば、疲労が溜まっていてもおかしくないと思った。
「疲れてたんだよ、きっと」
そう言ったけれど、瑛太は小さく首を横に振る。
たとえそれが自分のせいでなかろうと、彼は納得しない――と薫はよく知っている。自分に言い訳を許さない厳しさがあるのだ。
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