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凍結世界
ひどく寒い夜のこと。
月、星たちがいつもより綺麗に見えていた。
ひどく嫌な予感がした。
三善真は秋葉原で恋人を待っていた。
人々は雑然と、けれども整然と交錯している。まるで、強豪校の吹奏楽部のマーチングを見ているようだ。
イルミネーションも星たちと同様にまたたいている。
真はまばたきをした。
――そして、世界は凍結された。
真は目をこすった。こんなこと非現実的で信じられるわけがないから。しかし、自分の目で見ていることは確かで、信じるほかない。
ドッキリにしては規模が大きすぎる。
急いでスマホを開いた。ありったけの友人たちにメッセージを送り、反応を待つ。
人が止まったのか……。
イルミネーションも星たちもまたたいているし、スマホも使える。
「……なにもないか」
ベンチに座り、三〇分ほど経過しても返事はなかった。ただ、冷たさに孤独を感じるだけ。
なぜ、自分はこんなにも落ち着いていられるのだろう。真はそう思った。
ツイッターを開いて、誰か動ける人がいないか調べた。
「……あっ」
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