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『どなたか、固まっていない人はいませんか? DMでもリプでもいいので連絡ください!』そんなツイートを見つけて、真は安堵する。そして、急いで連絡を取り、奇跡的にその人も秋葉原にいて会うことができた。
「これは、いったいなんなんだろうか」
外見は四から五〇歳のサラリーマン、俗にいう中年男性だった。
「わかりません。とにかく、今は僕らと同じく動ける人たちを探しましょう」
探した。ツイッターやフェイスブック、ヤフー知恵袋など使えそうなものは使う。そして、また数人と会うことができた。
真面目そうな女子高校生、気弱な一一歳の少年、真と同じくらいの二〇代後半のバーテンダー。
そのバーテンダーが経営しているバーに集まった。
「俺らはどうなってしまうんだ?」
バーテンダーは少し不機嫌そうに言う。それに次いで女子高校生も言った。誰に言ったわけではないだろう。混乱する状況に対してのただの叫びだ。
「いったい、どうなっているんでしょうか」
「もう……このまま、一生……なのかな」
中年男性のサラリーマンはアハハと自嘲するようにつぶやいた。
「……俺、いいこと思いついた! この世界には誰もいないに等しい。なら、なにをしても罪に問われない。金を盗もうとも淫乱な行為に及ぼうとも」
バーテンダーは発狂して、外へ出て行く。
その場にいた全員が絶句した。真は慌てて呼び止める。
「待ってください! それはよくありません!」
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