雪の夜

8/18
前へ
/18ページ
次へ
「私は雪の精霊、雪の降る日にだけ生きられるスノー」 「た、助けてーっ!」 「えっ、ちょっとまだ話は」 慌てて引き留めようとする雪ダルマから逃げて家の中に入る。そして、バタンッと急いで玄関のドアを閉めた。背中からズルズルとその場に座り込んだ。 と、とりあえず落ち着こう。 相手は雪ダルマだ。私が幻覚を見たんだ、そうに違いないと勝手に思いながら息を整える。 カチッ 「はぁ……やっぱりダメだ……」 ガクッと首を上に向ける。 スマホを開いて連絡しようとしたけど、多分レキじゃまた同じ事を言われるに違いない。 実は、私……ホラーが大の苦手なのだ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加