HARD・SNOW

スノーキャンプ

　スノーキャンプに行こう。俺はそう思った。ケンもきっと喜ぶに違いない。
　アイツは男のクセに虫が嫌いだ。　　
　あんなんで嫁さんもらえるのかな？
　俺は人混みが嫌いだ。
　まぁ、人混みが好きで好きでしょうがないなんて人はあまりいないだろう。
　まぁ、危険は結構、イヤ……かなりある。ウェアや寝具はあるが、このガスカードリッジだとアソコだとうまく使えないかも？ロッジが近くにあるところにしようかな？
　トレッキングが楽しみだ。
「おい、ケン」
　履歴書を書いてるようだ。
「シューカツは大変だ」
「やめちまえ」
「は？」
「シューカツなんか」
「何言ってんだよ!？」
「こんな寒いのに面接なんか行くのか？俺とキャンプに行こう？」
「この寒いのに？」
「東京にテロリストがやってくるって情報だ。公安からの情報だからな？ビッグサイトに爆弾が仕掛けられたら大変だ」
「そりゃあ大変だ」
「息抜きしよう？」　
「まぁ、ライバルたちが爆死するのは面白そうだな？」
　ケンが不気味にプップッと笑う。

　丘の上や崖の近く、水辺には作らない方がいい。経験から分かるんだよ。
　氷室町のキャンプサイトに行ってみようかな？アソコなら土地勘もある。
「オイ、ケン？物置にソリがあるから車に積めよ？」
　雪の上は滑りやすいからソリは必須アイテムだ。
「えっ、今から行くの？」
「文句あるのか？」
「別にー」
「沢尻エリカかよ？」　　　　
　ドーム型のテントを最近買った。ペグを使わずに自立するからな？楽だよ？
　ケンよ？俺はペグじゃねぇんだ？早く楽させてくれる？
　佳子からはメチャメチャ怒られた。