2018・1

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 僕は三好長慶のところに潜伏していたこともあったが、彼は拷問が好きだった。  謀反を起こそうとしていた部下にカミアリってゆー顎が発達した毒アリを大量にたからせて、アナフィラキシーショックを起こさせて殺した。  カミアリは毒は少量だがアレルギー誘発性タンパク質を含んでいる。    一方、近江の浅井長政の家臣のリエは阿修羅(アシュラ)病院にナースとして潜入し、ネンブタールってゆー安楽死に用いられる薬を盗み出すことに成功したようだ。  霊安室にあった死体がムックリと起き上がった。  「ゾンビ!?」  リエは泣きながら阿修羅病院を逃げ出した。  信長を殺すことに成功したらお姉ちゃんを解放してもらえる。  スマホが鳴った。  中学の同級生のシホからだった。 「どうしたの?」 《ユーイチが死んだ》  ユーイチはリエが想いを寄せていたサッカー部のキャプテンだ。 「どうして?」 《チュッパチャップス食べながら車を運転してたんだって?事故を起こして、エアバッグが顔にガンッ!って来たときに棒が喉に突き刺さって窒息しちゃったんだって?》 「ふーん」 《ふーんって悲しくないの?》 「実感が沸かないや?ジョークじゃないよね?」 《最初はワタシも嘘かと思った》  もしかしたら信長の仕業かな?  事故に見せかけて佐久間あたりにやらせたんだ。  そのシホも数日後、ヨーロッパに出かけるが飛行機の中で亡くなった。  エコノミークラス症候群だ。  座石に長時間座っていると足に血栓が出来て、足から肺へ上がって動脈を塞ぐ。若くてもわからないもんだ。        
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