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カツオ
僕は調味料工場に派遣されて、かつお節を造っていた。鰹の内臓と頭を除去して、3枚に下ろす。朝、食べたばかりだと吐きそうになったりした。98度の高温で煮熱する。だいたい1時間半くらいかかる。
煮熱した原料を水中に浮かして骨と皮を除去して骨抜きをする。
これが終わると昼飯だ。
今日はコンビニで買ってきたラ王だ。
「親分寒いですなぁ?」
「うむ、今夜は降るらしいぞ?」
「スキーに行きたいっす」
親分はラジオを聴いている。
この昼食のほんわかした空間が好きだ。
昼食を終えると焙乾する。薪を燃やして熱で乾燥させて、煙でカツオ風味をつける。
「おーいい匂いだ」
僕が桂男であることは無論、親分は気づいていない。桂男ってのは敵の配下になることだ。
かつお節の製造方法を朝倉義景から盗んでくるように命令されていた。
「ゆーきの降る街をーゆーきの降る街をー」
親分は上機嫌だ。
旅弓って武器を装備していた。半弓(191㎝)をさらに半分にして100㎝の超小型にしたもので、ウィンドブレーカーに隠すことが出来る。雨や雪の日には もってこいだ。
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