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俺は話した。
家族に対する憎悪。
反抗期との一言で片付けられそうなあれこれを。
バレンタイン市場に流行を作った一族の陰謀の全てを。
洗いざらい懺悔した。
「で、いつになったら微太亜の話しが出てくるの?」
主我愛さんはただじっと、目を瞑って俺の話しを聞く。
指を組んでいるのはルーティンなのか。
神様への祈りの真っ最中なのだろうか。
「えっと、もうそろそろです。」
自分の考えを整理をする上で他人に聞いてもらう事が意外にも重要だったりする。
順序立てて話す練習に役立つし、自分でも気がつかなかった自分の気持ちにそこで初めて気づくなんて事もザラに有るからだ。
本当は微太亜に聞いてもらいたかったが、今ここでお姉さんに聞いてもらう内に何と言うか、無駄な部分が少しこそぎ落とされたと言うのか
濾過された気分になった。
俺はあの時、何故キレたのか。
微太亜に対する怒りの正体は何だったのか解った。
解ってしまった!
「俺、別にあいつに怒る必要なんてなかった!
俺の為に超絶美味しいチョコを作ってくれた訳だし、
並み居るクソアマを退けてくれていた訳だし、
そして、勇気を出してクリコモリナガの正体を明かしてくれた訳だし、
もう感謝しかねぇよ!!
俺、あいつの事好きだ!!!」
今なら違うと神に誓う!
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