3人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「入って良いのか…」
俺は迷う。
教会の境界線で立ち止まる。
一文字微太亜の実家は何とカトリックな教会だったのだ。
事前に一文字と言う道場だと聞いていたが、全然違うじゃないか。
まさかこんなマリア像が出迎えてくれそうな、ゴシックなロリータが住んで居そうな、シスターが寿司食ってそうな
荘厳な佇まいと絢爛豪華な建物に辿り着くとは。
「馬鹿な…。」
外は先刻から雪が降り始めている。
このまま立ち尽くしていては氷の彫像になってしまう。
“開いてますのでどうぞお入り下さい。”
ピコっとスマホが鳴って、LINEにメッセージが届いた。
「何で文面は丁寧なんだよ!」
何時もの毒舌が欲しい所だ。
最初のコメントを投稿しよう!