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「ボクサーの父とキックボクサーの母が出逢って結婚したんですわ。」
主我愛さんは両親の馴れ初めを語ってくれた。
「はぁ…」
俺は何だか突飛な話しに着いていけず、中途半端なリアクションを返してしまった。
「現役時代は神の拳と言われた父も聖職者ですからもう人を殴る事はありませんけれど、
礼拝堂の裏にはリングが有るんですわ。私達修道女は毎日父の指導の下スパーをこなしているんです♪」
「さ、左様ですか…。」
彼女が出てきた扉とは反対の舞台右手の扉を指差して言った。
牧師とボクシングの駄洒落の為だけにここまでやるかあ?
と、やや不貞腐れながら聞いてた俺だったが満更無関係な話しでは無い。
海外のとある修道院ではシスターが強盗だか暴漢だかに襲われた事件が切っ掛けで護身術の訓練を行っているそうである。
一文字微太亜が自分の実家を教会では無く道場だと言ったのも漸く納得出来た気がする。
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