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「それで?どうしたの?」
「この袋を見たことがあるか?」
「ああ、郡山のね。
さっき、田村があまりにも遅い!と機嫌は悪いし、寒そうにするわ。
正直、自分で行けよって思ったが、そこはグッと堪えて、僕が代わりに取りに行ったのさ……。立場、逆なんだよ?
A組にはなかったけど、田村の机の上にあったから、
それを持ってきたんだよ。実に嬉しそうに受け取ってたよ。しかし、本当にそっくりだね。」
「実は……入れ替わってるのよ……」
「そうなのか……生憎、彼女がどこにいるかは知らないよ」
「いや、待てよ?」
俺は今日、生徒会室であったことを考えていた。郡山さんの鞄にはサッカーのキーホルダーが付いていた。俺の勘が正しければ、彼女はサッカーが好き。
もしくはプロ選手のファンか……と思ったが、名前などは何も書いておらず、あれは決して珍しいものではなかった。
となると、サッカー部に好きな人がいるから付けている……?似たようなものを、確か!?
俺は彼女が渡そうとしてる人物が浮かんできた。すぐさま階段を降りる。
「あ! 直樹待って!」
「待ってください! どちらへ行くんですか?」
「運動場だよ。郡山さんがプレゼントしたい相手がやっと分かったんだよ。昼間に嫌と言うほど、自慢してたアイツだよ!」
「もしかして、染谷くん!?」
「ああ!」
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