バレンタインデー当日。

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 運動場に到着したが、既にもぬけの殻だった。 一歩遅れたが、自転車置き場に向かい染谷を探した。 自転車に乗っている染谷を見つけた!!全力で走りきる。 「待ってくれ!!」 「直樹? それに綾と多場さん……だっけ?」 「お前、さっき赤い袋に入ったチョコを貰ったか?」 「ああ、貰ったけど? それが?」 「ちょっと中身を見せてくれ。早く!!」 俺達は中身を確認した。 しかし、タルトではなく、中身はチョコクッキーだった。 「嘘でしょ……」 「そんな……ここまで来たのに、無駄足だなんて。」 「悪かったな。貰ったチョコを台無しにして」 「いや……俺は、別に構わないけど……放課後だし、あとは家に帰るだけだから。」  そうだよ、そういうことか!! 俺は息を切らしながら、体育館のほうへ必死に走る。後ろの方から、綾と多場さんが一緒に追いかけてくる。 「直樹!? 待って早いよ……説明して!!」 「染谷!これ、借りとくぜ! 俺達は勘違いをしていたんだ。ずっとな。」
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