バレンタインデー当日。

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 俺は時間を確認すると、ハッと目を覚ました。 「もう六時半じゃないか!? うわっ!! いってぇ……」 勢いよく、ベッドから転げ落ちた。  朝練に遅れて先生に怒られるし、他の皆にも迷惑がかかる。 それ以上に思ってることは、  中学校での生活は、残り僅かしかないんだ。 最後まで楽しく過ごしたい…… 慌てている理由はこれだけで十分だ。  焦りながらパジャマを脱ぎ、カッターシャツを着る。ズボンはこの際、後でいい…… 部屋に響き渡る、ノックの音。 「直樹ー。早く起きなさい。朝練、遅刻するわよー」 母さんの声が、扉の向こうから聞こえてくる。 「分かってるって!」 「あっ……こら!! ちょっと、その格好でいくの!?」  俺は母を無視して、洗面所に向かった。 家は階段の向きから、真っ直ぐに玄関。右側に台所。左側にリビングがある。 洗面所は階段から降りて、玄関の反対側…… 要するに奥にある。  しかし、あんなことが起きるとは――
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