バレンタインデー当日。

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「おはよう~直……キャー!!」 女の子の名前を呼ぶ声と、悲鳴が台所から聞こえた。まあ、俺のせい?なんだけど…… しかし、なんでよりによってこいつが… 「というかなんで、俺の家にいるんだ!! 綾!?」 「どうしてそんな、格好してるのよ!?」 「ちょっともう、見せないでよ……恥ずかしい……じゃない……」彼女は顔を手で隠しながら、照れくさそうに言った。 「ごめんね? 綾ちゃん。直樹、ついさっき起きて、人の話も聞かずに……」 母が階段から、降りてきて言った。 「母さん、綾がいるなら先に言ってくれよ!」 「あんたが、人の話を聞かないからでしょ!」 俺は頭を右手で掻き毟りながら、洗面所に向かう。  あいつは俺の幼馴染の綾。 綺麗な黒色の髪をしていて、髪型はロング。 肌は雪……みたいに白くはないが、他の女子生徒と比べてみたら、それより肌白かった記憶がある。  瞳はエメラルドのようにキラキラと輝いてる。だが、それよりも濃すぎず淡い緑色をしている。正直、可愛い。    家が近所で、幼稚園からの腐れ縁だ。けど、なぜ俺の家にいるのか疑問だった。 歯を磨きながら、台所にいる二人の話を覗き込みながら聞く。下は隠しながら…… 「おばさんのお料理、本当に美味しいですね!」 「綾ちゃん、嬉しいわ~もう、お世辞がお上手なんだから!」 「なに、人んちで朝飯食ってるんだ?」と俺は歯を磨きながら言った。
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