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バレンタインの日、両思いチョコを携えて、私は学校に行った。
チャンスはお昼休みだと思う。
雄太郎は、いつも部活仲間とお弁当を食べていて、同じクラスの子とは離れる。
そこを狙えばと思う。
お昼休み、お昼休み、と念じていると、時間が経つのも早い。
あっという間に、お昼休みになった。
「はあああ?」
一緒に食べている友達が、ビクッとなる。
「何?そのため息。」
「何って、今日はバレンタインだよ?」
「だから何?」
「何って………」
「まさか、チョコをあげる相手がいるとか、言わないでしょうね。」
まさかの展開に、思わず顔を反らす。
「あ?亜美香ってば、いつの間に?」
「あっ、いや、ごめん。」
私はチョコの箱を持って、教室を出た。
あれ以上一緒にいると、いろいろ話を聞かれそう。
「亜美香、がんばれー!」
教室から友達が手を振っている。
あからさまに、今から告白しに行きますよって、言ってるもんだ。
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