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次の日。
そこには、いつもと変わらない、雄太郎の姿があった。
「雄太郎。」
「ん?」
「雄太郎は、なんでビターチョコが好きなの?」
しばらく悩んで、雄太郎はこう答えた。
「恋に似ているから。」
私は、顔を上げて雄太郎を見た。
「苦い感じが、奈南さんとの恋に似ているんだよね。」
同じだ。
その瞬間、雄太郎と繋がった気がした。
「私も!」
「私も?」
「同じ事思った。ビターチョコのほろ苦さって、片想いに似てるって。」
二人の間に、沈黙が流れる。
「片……想い?」
「へっ………」
「亜美香、好きな人いるんだ。」
「あっ!」
急に恥ずかしくなって、顔がから火が出そうになる。
「全然可笑しくないよ。亜美香だって恋すべきだよ。」
「ハハハ……」
好きな人に励まされている。
「よかった。これで俺達。」
「ん?」
「お互いの恋愛相談に、のってあげられるね。」
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