ほろ苦い

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雄太郎達は、廊下の一番端のテラスで、毎日お弁当を食べている。 おばちゃんに貰った、両思いチョコを持って近づく。 雄太郎は、ラッキーな事に、一番端に座っている。 よし。 ここはさりげなく誘い出して…… そう思って、テラスの扉に手をかけた時だ。 「雄太郎。例の女の子とはどうなった?」 同じ部活の子が聞いた。 「例の女の子?」 「ほら、違う学校の。」 「ああ、」 たぶん奈南さんの事だ。 なんだ。 雄太郎、部活の仲間にまで奈南さんの事、教えてるんだ。 「今日、バレンタインじゃん。その女の子からチョコ貰えんの?」 「ハハハ!」 雄太郎は高らかに笑った後、こう言った。 「まあね。」 目の前が暗くなる。 私はチョコを持ったまま、引き返した。 何、浮かれてんのさ。 おばちゃんに乗せられて。 雄太郎には、奈南さんがいるんじゃん。 忘れてたの?
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