ほろ苦い

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「でも奈南さんがいるから!ダメだって思って!」 「な、奈南さん?」 すると雄太郎は、改めて座り直すと、爆弾発言をした。 「今更だけど、奈南さんとは別れた。」 「ええ!?だってさっき、同じ部活の人に!」 「ああ、あれは振られたって言うの恥ずかしいから、嘘ついたの!」 雄太郎の感覚が分からない。 何で奈南さんが元気かなんて、律儀に答えるかな。 「じゃあ、私がチョコあげてもいいの?」 「……いいけど、そのチョコ?」 私が下を見ると、既に箱ごとグチャクチャになっている。 うわあああ! おばちゃんに貰った両思いチョコが!!!! 「まあ、いいや。」 雄太郎はグチャクチャの箱から、チョコを一つとって食べた。 「苦っ!!」 「えっ?」 「このチョコ、すっげ?ビター!」 よく見ると、カカオ90%になっている。 えっ?何で? おばちゃん、間違った?
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