ほろ苦い

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「これ、亜美香のバイト先の、チョコだろう。」 「うん。」 「しまった。あの店のおばちゃんに、カカオ90%以上じゃないと、ビターチョコじゃありませんって、豪語してたっけ。」 「はあ?」 何でまたそんな事を、あのおばちゃんに!? 雄太郎はまたチョコを一つまみすると、"苦い苦い"言いながら、食べている。 「苦いなら、食べなきゃいいのに。」 「でもなぜか、また食べてしまう。恋と一緒。」 「恋、ですか?」 雄太郎の口から、そんな言葉が出てくるなんて、笑えてしまう。 「だってそうじゃん。結局奈南さんは、今の学校で新しい彼氏見つけたみたいだし。」 「ええっ!」 衝撃の事実。 と、言うよりやっばり。 「女なんて嫌いだ!二度と恋愛なんてするか!って思ってたくど……」 「けど?」 「やっばり止められない。恋は苦い時があるけど、一瞬甘い時があるから。」 「甘い時ねえ……」 その直後、私の肩は雄太郎の腕に、抱き寄せられていた。 ー Fin ー
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