帰還

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帰還

目を開けるとそこには大きな雪だるまが一つ。 小さなゆきだるまや、35羽のゆきうさぎは消えていた。 「夢・・・だったのかな?」 手をみると手袋が消えていた。 「いや、夢じゃないよ。あれをみろ」 雪の上に赤い南天の実が点々と校庭の隅まで続いていた。 ゆきんこさんの小さい手には収まりきらず歩くたびにぽろりぽろりとこぼしてしまっていたのだ。 「ゆきんこさん。本当にいたんだね。」 「いたんだ。あの子は」 二人は自然と手を繋いでいた。 お互いの存在を確かめ合うように。 「なな、付き合おうか」 カイの突然の告白。 私は驚かなかった。 もう十分、カイの気持ちが分かっていたから。 「うん。わたしも、カイのこと好きだから。うれしいよ。」 ぎゅっと手を握り合う。 もう二度と離れないように。
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