9人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
カイは緊張した面持ちで私の手をしっかり握り直してきた。
「カイ大丈夫?怖い?」
「怖いよ。ななが連れて行かれるかもしれないだろ。俺の手を絶対離すなよ」
ドキドキした。だってゆきんこさんにあげないといけないのは一番大切なものって意味だから。
(つまり、カイは私のことを?)今の状況では不謹慎だと思いつつも、私は嬉しくて、火照った頬をもう片手でおさえた。
「私だって、カイの手を離さないよ。だって」
見上げたカイは驚くほど優しく笑って
「知ってた、ここを乗り切ったら、ゆっくり話そう。」
大人びたことを言ってもう一度ゆきんこさんを睨みつけた
最初のコメントを投稿しよう!