注文の多い料理屋さん【短編台本】

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タイトル:注文の多い料理屋さん              Azu 【登場人物】 店員 中村:客 鈴宮:客 ナレーター ―――― 中村:「ふぅ、お腹すいたなぁ…。こんなところに見せあったっけ?」 ナレ:「街の端っこに小さな料理屋さんがありました。今日はどんな一日になるのでしょうか。」 店員:「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?」 中村:「はい。」 店員:「おタバコは汚水になられますか?」 中村:「いえ、禁煙で。」 店員:「承知いたしました。只今、キャンペーン中でして、こちらからくじを引いていただきまして、当たりが出たらスペシャルオーダーサービスをさせていただいております。一枚お引きくださいませ。」 中村:「はあ?分かりました。…う~ん、これ!…普通って書いてありますが?」 店員:「残念でした。普通接客サービスでご案内となります。」 中村:「はぁ、よくわからないですが…。」 店員:「では、ご案内いたします。こちらのお席でよろしいでしょうか?」 中村:「大丈夫です。」 店員:「では、こちらがメニューになります。お決まりになられましたらお声かけください。」 中村:「はい。…さっきのくじは一体何だったんだ?…まあ、いいや。…え~と、うん、とんかつ定食かな…。あ、すみません!」 店員:「はい、只今。ご注文はお決まりでしょうか?」 中村:「とんかつ定食で。」 店員:「はい、とんかつ定食お一つでよろしかったでしょうか? 中村:「はい。」 店員:「おつくり致しますので少々お待ち下さいませ。」 ナレ:「特に変わった所のないよくありがちな接客のようです。普通を引いた中村様はきっといつも通りの日々を過ごせるでしょう。…あ、新しいお客様がいらしたようです。」 店員:「いらっしゃいませ。」 鈴宮:「喫煙で。」 店員:「はい。お一人様でしょうか?」 鈴宮:「あぁ。」 店員:「かしこまりました。只今当店キャンペーン中でして、こちらから一つくじを引いていただきましてスペシャルオーダーがでますと、お客様の細かい注文にもお答えするスペシャル待遇が受けられます。よろしければ一枚お引きください。」 鈴宮:「はぁ…。引けばいいのね。はい、これ。」
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