東の処刑人

森の中の処刑人

薄暗い石造りの部屋の中に、ランプに揺れる二つの影があった。
ひとつは、命乞いを必死に繰り返す男。ひとつは、物々しい大剣を持った男。
｢やめろ！なぁ、頼む！まだやらないといけないことがいっぱいあるんだ！どうか…！どうか見逃してくれ！｣
懇願する影は、鎖に縛られて身動きがとれないようだった。
そんな声をものともせず、剣は振りおろされた。
部屋は赤く赤く染まった。
辺りは静寂に包まれた。