2章

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「直樹くん…このメイド服、変じゃ、ないかな…?」 フリフリのメイド服を着て上目遣いで見つめてくる姫川さんの殺傷能力は他の追随を許さない。人類は皆一瞬でキルされてしまうだろう。 しかも下の名前で呼んでくれた…嬉しい…嬉しい… 「嬉しい!!!」 ピピピピピ…… スマホのアラーム音が先程の光景が全て夢だったことを物語っていた。宙に向かって伸ばした虚しい右手は行き場を失って空間を漂う。 メイド服を着た姫川さんが夢に出てきたのは決して今やっているエロゲの女の子がメイドさんだからではない。 高校の文化祭が近づいてきているからだ。 俺たちのクラスは何を隠そうメイド喫茶。文字通りメイドの格好をして喫茶店をするのだ。 俺をここに産み落としてくれてありがとう両親。感謝する。そのおかげで俺は姫川さんのメイド姿を拝めるのだから。
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