2章

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「直は文化祭どうする?」 「え。」 席に着くやいなや振り返り笑顔で聞いてくる俺のライバル。文化祭どうするってきっと自由時間のことを言ってるんだよな。こいつ…一体どういうつもりで聞いているんだ。俺は質問を質問で返すことにした。 「お前はどうすんだよ。姫川さんでも誘うの?」 ばっっか!!俺のばっっか!!何言ってんだよお前はどうすんのってだけ聞いとけよなんで姫川さんの名前出しちゃったんだよ!これでは俺が姫川さんを誘えるルートがなくなってしまう。ヤバい。実にヤバい。 「誘おうと思ったんだけどさ、姫川さん女子グループと回る話 してたし、無理そう……。直暇なら一緒に回ろうぜ。」 え? じゃあ蒼は姫川さんと回らないのか、よかった~。いやでも他の女子と既に約束されたら俺も回れる可能性なくないか? 「諦めるのはまだ早いぜ蒼。」 頭より先に口が動いた。俺も先程自分が喋った言葉を復唱した。 蒼がどういうこと?と聞いてくる。 うん、そう。そうだよ俺。まだ諦めるのは早いぞ。 俺は姫川さんと文化祭を楽しむんだ!
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