3章

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声を大にして言ってもいいですか? 心の声いつもデカいですが、もっと大にして言いたいと思います。 今俺の目の前にはメイド服を着た姫川さんが、女子に群がられて写真を撮られまくるメイド服を着た姫川さんが…いる。それに対してお礼を言いたいと思います! 「ありがとうメイド喫茶!!」 「は?何言ってんの笹原」 死にたいの4文字がログインしました。心の声のはずが口に出してしまった。ちくしょ~~。しかも姫川さんの友達であり少しギャルな(勝手な印象)遠藤美咲に聞かれてしまった。「はぁ?」や「まじマンジ」が口癖の女子だ。姫川さんとは遺伝子レベルで違うからゴリラか何かだな。 うんうんと1人で納得している俺をよそに 遠藤は姫川さんに駆け寄る。(一瞬俺に向かってきたのかと思って心の中で1億万回謝ったのは言うまでもない。) 「夢子、あんた本当に可愛いから変な輩に絡まれないように気をつけるんだよ。」 姫川さんはそんなことないから大丈夫、と言っているが、多分十中八九絡まれるだろう可愛いから。でも絡まれても俺が助けるから安心してな姫川さん。 「姫川さん可愛い。メイド服似合う。」 いつの間にか姫川さん達の側に蒼がいる。ああよく分かってんじゃんその通りだよ姫川さんは世界一可愛い。 って、 なんで俺より先に姫川さん褒めてんだよ!!手が早すぎるだろ!! ここで俺が割り行っても「いやほんとそれなまじかわうぃ~~」とか言ってどこぞのチャラ男になってしまうのがオチだ。 しかし今日俺はお前を差し置いて姫川さんを独占してしまうから許す。姫川さんを可愛いと思う気持ちも同じだし。 ヒエラルキー高めの女子達に自然に囲まれる王子様を横目に 晴れやかな気持ちで準備に取り掛かった。
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