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蒼は暫く俯いたあと、なにか決心したように呟く。
「ここ、座って。」
蒼が座っていた席と向かいあわせの席を指さす。
俺はゆっくりと腰掛ける。
向かい合わせになり、互いに目を合わせる。
「直。俺、お前と友達でよかった。」
「は?何言ってんだよ。これからもだろ。」
絶交なんて冗談だよな?蒼の考えすぎだろ。大丈夫。これを聞いても俺たちは親友のままだ。
蒼は悲しそうに笑う。何がそんなにダメなんだよ。なんで諦めたように笑うんだよ。
蒼は口を開いた。重い口を、開いた。
「俺は、直のことが好きです。」
これを聞いても俺たちの関係は壊れない、
俺のおごりが、俺の最低な自信が、
蒼のずっと隠していた箱に手をかけさせた。
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